月曜日

くしゃくしゃに丸めた包装紙の裏側の方の触感がつるつるしていて、こっちがほんとうは模様になっているみたいだ。よく見ると、このようなものが書き連ねてあった。

「あなたがすき。あなたはすばらしい、あなたは輝いている、あなたは雨降る夜に、道路に映り込むネオンサインのようだ。あなたのしっとりとした前髪が好き、あなたのどこ見ているか分からない目が素敵、あなたは世界を照らしている、あなたは暗闇に収束する光だ、あなたはやさしい。あなたは賢い、あなたは誰もが心を開く魔法を持っている。あなたなら、その両手から新しいものを生み出せるんだ、あなたの笑った顔は人を癒し、あなたは人を勇気づけ、あなたは人に生きる喜びを与える。あなたはあなた自身の言葉を持っている、あなたは世界にこぼれ落ちた数々の色を集め、あなたのその声で、私は平安の中に漂って、あなたの未来を信じるのです。あなたの心が折れそうな時は、私はあなたの肩を包み込むでしょう。それでも雨の日は、私の中の素直さが音を立てて、すっかりと抜け落ちていき、大きな壁を作っては壊すことばかりに神経が過敏になって、全体を捉えられないのです。私をお許しください。そして私は、あなたの、体験の中の、一つの映像であり、それらにはまったく別の秩序が存在します。非現実的なものの秩序にこそ、あなたの発見すべき道はあり、私はあなたとともにそこにいるのですから。」

私は、生きている実感だけが、自分を突き動かす原動力となることに、疑問を抱いていた。生きている実感という名の疲弊は、ひとりよがりな世界へと、いとも簡単に私を引きずりおろす。どうしたらいいのだろう。分からないから先送りにしていたものが、物語の進行とは裏腹に、どんどん露呈されていくのが怖い。私にはあとどれくらいの時間が残されているのだろうか。包装紙のしわを伸ばしながら、網点の海に頭の中の全部を捨てて、埋没していこうとした。ある種の怒りにも似た身体のだるさはすーっと消えていったような気がしたが、ただそれは、脳みそが騙されただけに過ぎない。