もう知識はいらない

フクオカにいる仲の良い友達がいて、もうかれこれ、えっとどれくらいだっけと思って数えてみたら、7、8年の付き合いだった。8年か。すごいな。子供だったころから、考えてみたらやっぱりちょっとずつ大人になっていて、あれ、7年前っていたらそうか、そんなになるか、と思った。最近出会うひとたちもみんな昔から知っているような気がして、不思議だ。いちいち感動してしまって、体力が持たない。あの人やあの子の過去をも、なんだか愛おしく感じる。知らなくても、近い。遠くても同じ。一時間や二時間でも、あの人といるとすごく長く感じるような、そんな日々を過ごしている。みんな違うところから来ているのに、どっかで出会って、時間を共有しているんだからすごい、そういうことに今更ながら感動するというか、それと、違うところに行ってがんばっている友達たちを思って、ああ、がんばれ、応援してる、と思う。だからあれ、まだこれしかいっしょにいないの?とびっくりする時もあるし、もうこんなにいっしょにいるのかと思う事もあって。ああ、あの時は、あのときの日差しも、あのときの夜の霧も、あのときの電話も、あの時の駅のホコリっぽい匂いも、あの時の気持ちも、あの時の部屋の電気の色も、あの時諦めたことも、ほんとは全部覚えてるんだけど、内緒にしていこうと思ってる、ひゃーでもどうしようかな。ちょっとづつがんばろうねそれだけだよね。ありがとう。
フクオカの友達から連絡があり、昨日は、私たちが大好きな映画をほぼ同じ時刻で観ていたことが判明した。シンクロニシティ!とにかく今日はいい日だった。一年ぶりに銭湯にいったし、おいしいものを食べて、缶コーヒーを飲んだ。いろいろあるけどありがたい。生きていてよかったとひさしぶりに思った。大好きなひとたちが健康でさえいればいい。みんなしあわせになってほしい、ああただそれだけを祈っている。はなればなれになってしまった人たち全員に会いに行きたい気分だ。一人一人の目を見つめて、ほっぺたを触りながら、「元気だった?ありがとう。愛してる。」と言っておでことおでこを合わせる旅に出るんだ。もう一生会えない人もいるが、私はその人たちを寝る前にたまに思い出してみることを、きっと、ずっと続けてしまうんだろうな。